筋肉の記憶②

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こんにちは!ファーストクラストレーナーズの菊池です!

 

上の図はドイツの心理学者ミューラー・リヤーの発見したミューラー・リヤー錯視という錯覚の図です。実際は同じ長さですが、矢の部分が開いている下の直線が長く見えるはずです。これは目で得た情報を脳で処理したときに、下の方が長いと判断してしまう「錯覚」です。

 

今回の「筋肉の記憶」はこの「錯覚」について。

 

以前の記憶は「経験を活かす」という事でした。今回は残念ながら「経験が邪魔をする」というお話です。

私は昔、スノーボードのトレーニング中に大怪我をした事があります。

でも実際病院に行ったら右肩関節が亜脱臼していて腕に痙攣が残った状態で、その怪我の方が酷かったわけですが、顔の怪我に気を取られ、診断されるまで腕の違和感には全く気が付きませんでした。

 実際8割とも言われる視界の情報量の中で痛みは顔面を打ちつけた痛みのみに絞られ、動かす事も痛かったはずの肩には全く気が付かなかったのです。

冒頭の絵にしても「痛み」に関してもこのような「思い込み」「決めつけ」があります。

血=痛い のような連想が筋肉への信号にもあって、

動く=痛い と勝手に痛みの信号が送られる場合があるのです。

実際損傷していないのに、なぜか痛い。

痛いから整形外科で診察してもらったけど原因が分からないと言われた。

など「なぜか痛い」っていう方も実は多いのです。

 

例えばギックリ腰。ギックリ腰は急激に加えられた負荷によっての筋肉の緊張です。

腰って「カラダの要」でもあるので痛いと全身が痛く感じますよね、、でもそのほとんどは原因不明の診断をされている事を知ってますか?

 

診断では「加齢」「ヘルニアなどが悪さしている、、」と伝えられることが多いですが、

私が感じるのは、全身が痛いから痛みから逃れるために全身を緊張させることによる痛みの発症と連鎖。

言えば「痛みの恐怖の記憶からくる痛み」です。

 

こうしたら痛い

動かしたら、お辞儀したら、、

腰を反ったら、、捻ったら、、

足あげたら、、下げたら、、

 

経験した痛みの恐怖によって殆どの方がする作業は

「痛み探し」ではないでしょうか?

探す間に筋肉に緊張の連鎖がおきてませんか?

 

そもそも痛みとは?

感覚の信号は脳から発信しています。

 

以下https://ourage.jp/wp-content/uploads/2017/05/e08043d4ccf39f5f8978a26dbb4e00ed.jpg引用

痛みを感じると、その刺激で運動神経や交感神経が働き、筋肉や血管が収縮します。

安静状態を続けることで、筋肉が硬直し、さらに血行不良を助長。

すると各組織への酸素や栄養が行き届かなくなり、痛み物質を産生。

もともとの痛みの原因はもうないのに、神経が脳に痛みの情報を伝えてしまいます。

これが「脳の勘違い痛」のメカニズムです。

  

以前、私は整形外科と併設したトレーニングジムでトレーナーをさせて頂いていた時、

十数年前に発症した「リウマチ」の後遺症で腕が上がらないという60代のお客様を担当した時のことです。

目標は上がらなくなった肩を上げたい。

 

十数年間出来るだけ肩を動かさず生活されていたので、もちろん筋肉は萎縮していました。

それよりも気になったのはその方の恐怖心です。腕を上下に動かすたびに肩をすくめます。

痛くないであろう角度での上下さえまずは力むことから始めます。

 

そこで私がした事は、出来る事探しです。

筋膜を緩めながら動かす範囲を広げていきます。そして力を抜く事を指導しました。

ただ、、

長年の痛みはなかなかその方の心を緩めてはくれませんでした。

なので自信を持ってもらうようにチャレンジをいくつもさせたのです。

それは日常でしない事。

バランスボールに座る事

ストレッチポールで手足を地面から離す

バランスドームの上に立つ

少しずつできないことが出来る喜びを知ってもらいます。

そして第一に腕とは関係なく骨盤の位置を変える腹筋運動で姿勢改善を中心に少しずつ関節をそろえていきました。

 

たくさんのことができると

姿勢が改善され、前より歩行スピードなどが上がると

自信がつくんですよね!

 「ちゃんと今日も痛いところは緩めてますし、筋肉も動いてます。もうできますよ!怖がらなくて大丈夫です。」

 お客様は痛みを忘れてくれました。

 でもこの日私は腕をさすった程度です。

さほどの施術はしていません笑

 だってもう前に緩めて他の角度で上下できた時にはいい状態にまでなっていたと知っていたので。

 その時気がついたんです。

 

後は自信と信頼関係だなって。

なんせ「動かして大丈夫ですよ!」を信じてもらおうと。

 

こうやって痛みの記憶は脳を通じて筋肉に錯覚の信号を出すことによるものも多く、

この動きは痛い!今まで痛かったんだから痛いに決まっている!と決めつけている事も少なくないんです。

 

特に慢性の痛みの改善によくあるこの「脳の勘違い痛」

 昔の症状が長く続く方。

ギックリ腰や四十肩五十肩が長引く方によくあるこの「勘違い痛」

 

もちろん整形外科で診察してもらってからの話にはなりますが、

薬を飲んでも、湿布を貼っても治らない。

どこも悪くないのに痛い。

痛みによってどこかの筋肉を緊張し、

本当の原因を隠す事も多いですよ。

 そんな長引く痛みの改善方法も一度トレーナーに聞いてみて損はないかと思います。

 

ファーストクラストレーナーズには、

「治療」の観点から多くの知識を持ったトレーナーも多く在籍しております。

是非しっかりお身体のことをトレーナーに伝えてみて下さい。

 みなさんのお悩みが一つでもなくなり、今より快適な生活が送れますように。

 

株式会社ファーストクラストレーナーズ

8LOOP代表 菊池